【パイロットになりたい!】自社養成パイロット採用試験をパイロットが解説

航空会社のパイロットになるには大きく分けて5つの方法があります。

その中でも航空会社の自社養成パイロット採用試験は最難関と言われています。自社養成パイロットの制度では、各航空会社が操縦未経験者を採用し、費用は基本的に会社負担でゼロから訓練し、一人前のパイロットとして育て上げる制度です。訓練中は給料も支払われるため、採用された人には基本的に金銭的な負担がかからず、多くの人がまず一番に考える方法です。

最近では大手航空会社だけでなく、LCCにも自社でパイロットを養成しようという動きが出てきました。昨今はどの航空会社も大変なパイロット不足のため自社でパイロットを育成しようという訳です。

また、それと同時に自社養成パイロットの採用試験について、パイロットを目指す人達から相談を受けることも増えてきたので今回は自社養成パイロットの採用試験の内容について過去の経験を踏まえてまとめていきたいと思います。

ただし私自身の過去の受験経験に基づく情報なので現在の採用試験の内容と異なる可能性がありますので予めご了承下さい。

自社養成パイロット採用試験の内容をパイロットが解説

自社養成パイロット採用試験は一般的に下記のような内容になっています。

自社養成パイロット採用試験の内容
  • 筆記試験
  • グループ面接
  • 心理適性検査
  • 簡易操縦適性検査
  • 個人面接
  • 操縦適性検査(シュミレーター)
  • 航空身体検査
  • 英語コミュニケーションテスト(英会話面接)
  • 最終役員面接

一般的にこれらの内容を4〜5次に分けて試験することが多いです。各航空会社により異なりますので詳細は航空会社のホームページを参考にして下さい。

筆記試験・グループ面接

筆記試験では、基本的な国語や数学、英語の知識が問われます。きちんと対策をしていれば問題内容はそれほど難しくありませんが、他の受験者もしっかり対策をしてきているので問題のミスを少なくする努力は必要です。

最新の過去問題集でしっかり対策をしてください。

グループ面接はだいたい3〜4名の受験者に対して、面接官が2〜3名程度つくことが多いようですが会社によります。

質問内容は様々ですが、「どうしてパイロットになりたいのか?」「パイロットに必要な資質は何か?」「学生時代に頑張ったことは何か?」など基本的なことはハッキリと答えられるようにしておきましょう。

心理適性検査・簡易操縦適性検査

心理適性検査はロールシャッハやクレペリン、性格検査などを行うのが一般的です。ロールシャッハはシミのような模様を見てそれが何に見えるかを答えます。正常な心理状態なら特に問題ありませんので、何も考えず素直に回答してください。クレペリンはひたすら簡単な計算をしていくもので特に練習はいらないかと。

性格検査は一問一答形式のテストが多いですが、これも素直に回答することがポイントです。変に取り繕って回答すると同じような質問が出てきた時に矛盾した回答をしてしまうことがあるのでやめましょう。

簡易操縦適性検査はジョイスティックを操作してパソコン画面に映る枠を追っていくゲームのようなもので、私は特に対策はしませんでした。落ち着いてやれば簡単です。

個人面接・操縦適性検査

個人面接は現役パイロットや管理職クラスの面接官が出てくることが多いようです。受験者1名に対して、面接官が2〜3名程度が一般的です。

現役パイロットの面接官からは「機長になるために必要な資質は何だと考えていますか?」「飛行中に緊急事態が起こった際にあなたがまず考えることはなんですか?」など、パイロットの職業を具体的にイメージして考えを巡らせていないと答えるのが難しい質問もありました。未経験のド素人には少しきつい…泣

操縦適性検査はシュミレーターを使って行われます。シュミレーターと言っても私が受験した航空会社はモーションのあるフルフライトシュミレーターを使用した試験ではありませんでした。

私の受験した航空会社ではパソコン画面が目の前に3台並んだもので、中央の画面では操縦桿を操作して縦と横の線が交差する点に照準が合うようにしつつ、画面下部でボールが動いているのでそれが真ん中にくるように足元のペダルを操作します。更に左右の画面では計算式や数学の文章問題、ボタン操作の指示などが表示され、問題を解きながら画面の指示通りの操作をしていきます。

複数の画面を見ながら、複数の操作を同時並行で行い、かつ出題される問題も解かなくてはならないので難易度は高いです。

航空身体検査

航空身体検査は一番の難関という人も少なくありません。第一種航空身体検査の基準に適合するかどうかを検査されるため、基準は一般的な健康診断よりはるかに厳しいです。

内容は内科・眼科・耳鼻咽喉科・精神神経科の検査などをはじめとし、個人的に驚いたのは平衡感覚や脳波検査まである点です。詳細な基準は航空医学研究センターのページで調べてみて下さい。

英語コミュニケーションテスト(英会話面接)・最終役員面接

英語試験も航空会社によって内容は異なりますが、私が受験した航空会社では、一社はパソコンでリーディング・リスニング・リーディング・ライティングの試験を行い、別のもう一社は外国人面接官による英会話面接でした。

英語試験の対策については下記の記事を参考にしてみて下さい。

最終役員面接は受験生1名に対して、役員クラスの面接官が3名程度が一般的なようです。質問内容は採用の合否を判定するため基本的なものから難易度の高い抽象的なものまで多岐に渡ります。通常の一般企業の面接対策に加え、パイロットという職業の特殊性を考慮した対策が必要になります。

まとめ

航空会社の自社養成パイロットの試験は一般の企業の採用試験と異なり、その職業の特殊性を考慮し、様々な角度から試験が行われ、パイロットとしての適性を厳しく審査されます。試験期間も2〜3ヶ月と長いため、受験者にとっては準備も大変で精神的負担も大きいかと思います。

しかし「パイロットになりたい、挑戦したい」「子どもの頃からの夢を叶えたい」と思い、自社養成パイロットの採用試験に臨むならば、しっかりと事前に準備と対策を練ることが必要不可欠です。

以下は情報収集にオススメの書籍です。参考までに。

自社養成パイロット採用試験では本当に受験者が「パイロットとして適性があるのか」「厳しい訓練を乗り越えられる資質があるのか」「将来は機長として運航を任せられるのか」など、受験者の姿勢や考え方、資質、人間性が厳しく見られていますのでしっかりと情報を集め、念入りに準備をしてから試験に臨みましょう。

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